R125のカウル・パネル等の固定に使われているタッピングスクリュー。
この部分を、時々壊しちゃうんですよね…
締め付ける時、空回りしてしっかりと締め付けられなくなったら、めねじ側のスプリングナット / 90183-05X03が壊れている証拠。
こうなってしまったら、交換しないと直りません。
そこで、今回は、スプリングナットが壊れてしまう原因を考え、さらにスプリングナットの交換とカウルの修理についてまとめます。
この記事より、以下を知ることができます。
- スプリングナットの構造と締め付け
- スプリングナットの交換方法
- カウルの修理方法
作業日 | 2022年 4月 9日 |
目的 | メンテナンス・故障・修理 |
Shop or DIY | DIY |
難易度 | |
作業時間 | 3時間 |
費用 | 3,245円 |
1. 使うもの
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No. | 名称 | メーカー | 型番 | 数量 | 金額[円] | 今回購入したもの |
1 | ピンセット | – | – | 1 | (142) | |
2 | アロンアルファEXTRA 耐衝撃 | コニシ | – | 1 | 659 | |
ST9 | NUT, SPRING | 純正部品 | 90183-05X03 | 5 | 3,245 | ○ |
3 | セロハンテープ | – | – | 1 | (110) | |
4 | プラリペア(クリアー) | 武藤商事 | PL-16 | 1 | 1,758 | |
5,914 | 3,245 |
2. カウルのスプリングナット交換(STEP 1~17)
タッピングスクリューの締め付け
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<タッピングスクリューとスプリングナット>
スプリングナットは薄い金属板からできていて、ナット(爪)の部分がしなることにより、ばねの働きをするようです。
なので、タッピングスクリューの締め付け加減は、爪の部分が適度にしなる程度で良いということになります。
新品と壊れたスプリングナット
以前は意識せずに、同じくカウル・パネル等の固定に使われているM6ボルトの感覚(7N・m位)で締め付けていました。
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<新品と壊れたスプリングナット>
恐らく7N・mは締め付け過ぎで、爪が曲がってしまうのかもしれません。
さらに、取り外し・取り付けを繰り返すと、最後には写真のように爪が折れてしまいます。
- 1ヶ所目が折れると、一定のトルクに達すると爪がねじから外れて空回りする
- 2ヶ所目が折れると、使えなくなる
ようです。
なので、タッピングスクリューは、適度に締め付ければOKで、強く締め付けてはいけないと認識しました。
スプリングナット
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<スプリングナット>
しかもこのスプリングナット、他の部分に使われている平板のものではなく、肉抜きされた凝った構造。
平板のものを使わなかったのは、なぜでしょうか。
- カウルのデザインの制約から?
- カウル・パネル側が曲がる・折れることを避けるため、よれる構造のものが必要だった?
専用品を設定した弊害でしょうか、2022年2月時点でお値段、何と1個と649円!!
今回は予算の都合もあり、5個しか買えませんでした。(涙)
大切に使わなければいけません。
カウルの取外し
壊れたスプリングナットを交換する前に、各カウルを車体から外します。
1ヶ所目: フロントカウル
2ヶ所目: 右アッパーサイドカウル
3ヶ所目: 左ロアサイドカウル
各カウルの外し方は、以下をご覧ください。
1ヶ所目: フロントカウル・パネル等の外し方
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2, 3ヶ所目: サイドカウル・パネル等の外し方
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フロントカウル右下の締め付け部
では、1ヶ所目の修理に取り掛かります。
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<フロントカウル右下の締め付け部>
フロントカウルとアッパーサイドカウルを固定するタッピングスクリューとなります。
Low側のヘッドライトをLEDへ交換した時に壊しました。(涙)
スクリューが傾いた状態で締まるのでおかしいなと思ったら、スプリングナットが壊れていました。
フロントカウル修理1
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<フロントカウル修理1>
スプリングナットを外すと、フロントカウルのプラスチックも折れていました。
運良く破片を回収できました。
フロントカウル修理2
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<フロントカウル修理2>
接着剤で、破片を接着しました。
フロントカウル修理後
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<フロントカウル修理後>
こんな感じでくっつきました。
破片が残っていると、ある程度の形には修復できます。
見栄えは微妙ですが、目に付くところではないので、これで十分です。
スプリングナット取付け準備
スプリングナットをそのまま取り付けると、直した部分が直ぐに壊れそうな気がします。
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<スプリングナット取付け準備>
なので、板を挟み込む部分を少し広げておきました。
カウルを外した状態では、スプリングナットがカタカタと動いてしまうかもしれませんが、タッピングスクリューを締め付ければ問題ないでしょう。
スプリングナット取付け後
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<スプリングナット取付け後>
こんな感じで修理しました。
これで、タッピングスクリューを締め付けることができます。
右アッパーサイドカウル上部の締め付け部
次に2ヶ所目を修理します。
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<右アッパーサイドカウル上部の締め付け部>
フロントパネルとアッパーサイドカウルを固定するタッピングスクリューとなります。
ここは買った当初より壊れていて、初めて締め付けた時、ねじが一定のトルクに達すると、空回りすることに気が付きました。
固定はされるので良いかなと放置してましたが、この機会に修理します。
スプリングナットの状態
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<スプリングナットの状態>
爪が1ヶ所折れていて、全体に凹んでいます。
アッパーサイドカウルの状態
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<アッパーサイドカウルの状態>
こちらは、破片が不足し、一部すき間があります。
アッパーサイドカウル修理
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<アッパーサイドカウル修理>
なので、プラリペアを使って、すき間を埋めました。
粉が落ちてしまわないよう、セロハンテープで修理する部分を覆っています。
アッパーサイドカウル修理後
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<アッパーサイドカウル修理後>
こんな感じに修復しました。
プラリペアなので強度は折り紙付きです。
スプリングナット修理前後比較
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<修理前>
上側から見ても、爪が割れているのが分かります。
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<修理後>
それなりの形に修復できました。
左ロアサイドカウル側面の締め付け部
さらに、3ヶ所目も修理します。
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< 左ロアサイドカウル側面の締め付け部>
最後にロアサイドカウルの側面の締め付け部。
幸いここは、スプリングナットが凹んだだけで壊れていませんが、締め付けに違和感があったので交換しました。
3. まとめ
スプリングナットを壊してしまう原因を考え、さらに壊してしまったスプリングナットの交換とカウルの修理についてまとめました。
タッピングスクリューは、サービスマニュアルに締め付けトルクの指定がなかったので、以前は何も考えずに締め付けていました。
漫然と作業すると、自分で壊すリスクがあることを、今回学びました。
- スプリングナットは薄い金属板からできていて、ナット(爪)の部分がしなることにより、ばねの働きをする
- タッピングスクリューは、適度に締め付ければOKで、強く締め付けてはいけない
- スプリングナット / 90183-05X03は値段が高いので、壊さないよう注意