後付けの盗難警報機とドライブレコーダーを買いました。
どちらもイグニッションスイッチのOFF(ON)の電気信号を必要とするため、車体からイグニッション電源(以下IG電源と記述)を取り出します。
IG電源の取出しは、以下の方法があります。
- 電源取出しハーネスを使う
- ヒューズボックスから取る
- ブレーキランプから取る
他
1が確実なのですが、残念ながら、市販の5D7用のハーネスを見つけられませんでした。
そこで、2のヒューズボックスからIG電源を取り出すことにします。
電装品の本体はシート下に取り付けるのが一般的なので、シート下にあるヒューズボックスにつなげるのが最適と考えました。
この記事より、以下を知ることができます。
- ヒューズボックスからのIG電源の取り出し方
- ヒューズを使った分岐配線の作り方
作業日 | 2022年 3月 5日 |
目的 | チューニング・カスタマイズ |
Shop or DIY | DIY |
難易度 | |
作業時間 | 2時間 |
費用 | 319円 |
1. 使うもの
No. | 名称 | メーカー | 型番 | 数量 | 金額[円] | 今回購入したもの |
1 | ヒューズクリップ | – | – | 1 | 87 | |
2 | デジタルマルチメーター | 三和電気計器 | PM3 | 1 | 4,950 | |
ST5 | 電源取出しミニ平型ヒューズ | モノタロウ | 29182214 | 1 | 286 | ○ |
3 | ミニチュアニッパー | ホーザン | N-35 | 1 | 3,465 | |
4 | 配線 (1m, 黒色・白ストライプ) | 住友電装 | AVSSB03f-BKWH | 1 | 160 | |
5 | 圧着ペンチ | ホーザン | P-704 | 1 | 5,148 | |
6 | はんだこて | 太洋電気産業 | PX-601AS | 1 | 17,600 | |
7 | 熱収縮チューブ (φ2) | – | – | 1 | 74 | |
8 | ヒーティングガン (ヒートガン) | 白光 | 880B | 1 | (7,260) | |
9 | 2又丸ギボシ端子 | 矢崎総業 | F2YG-sr | 1 | 33 | ○ |
10 | スリーブ (250型端子用) | – | – | 1 | 384 | |
11 | 圧着工具 | ストレート | 12-679 | 1 | 630 | |
12 | ステンレス配線止め金具ミニ | エーモン | 1193 | 1 | (384) | |
13 | 絶縁テープ | オーム電機 | DE1910K | 1 | (84) | |
14 | 結束バンド (リピートタイ) | ELPA | KBR-N100015(BK) | 1 | 284 | |
40,829 | 319 |
2. イグニッション電源の取出し(STEP1~30)
シート外し
まず、シートを外します。
※
他の作業の関係でボックスを外していますが、その方が作業性は良いです。
ボックスまで外される場合は、整備記録「リアカウル・パネル等の外し方」STEP 1~21をご覧ください。

ヒューズボックスのふた開け

<ヒューズボックスのふた開け>
爪を押して、ヒューズボックスのふたを開けます。
シグナルヒューズ外し
イグニッションスイッチをONにすると通電するシグナルヒューズ(7.5A)から、配線を取り出します。

<シグナルヒューズ外し>
ヒューズクリップで、写真の上から3番目にあるヒューズを外します。
通電方向確認

<通電方向確認>
テスターで、電気の流れる向きを確かめたところ、後方から前方へ流れていることが分かりました。
なので、上流側の後方から配線を引き出すことにします。
ヒューズ新旧比較

<ヒューズ新旧比較>
左: 外したもの 純正部品
右: 付けるもの 電源取出しヒューズ
電源取出しヒューズは、片側に配線がつながっていて、ここに電装品をつなげます。
配線の取回し検討1
以下を意識して、取回しを考えました。
- ヒューズボックスに穴を開けない
- ヒューズボックスのふたを閉められる
今後、電装品が増えた場合、取出し方法を替えることも考え、原状復帰できるようにします。
配線の取回し検討2

<配線の取回し検討2>
候補1. ふたのすき間を通す
うれしいことに、わずかですが配線を通せるすき間がありました。
候補2. スペアヒューズ(20A)の下のすき間を通す
スペアヒューズの下側が開放されていて、配線を通せるすき間がありました。
候補2は外から見えないのは良いのですが、すき間を通してから端子を圧着すると簡単に外せなくなるので、候補1で行くことにしました。
配線の取回し検討3

<配線の取回し検討3>
ふたのすき間を通した配線を、ヒューズボックスの側面を経て、下側の配線に沿わせることにします。
ヒューズ取付け
それでは早速、配線付きのヒューズを取り付けてみます。

<ヒューズ取付け>
配線付きのヒューズを差し込み、配線を90度折り曲げます。
配線に思い切り負担が掛かっている気がする…
ヒューズボックスのふた閉め

<ヒューズボックスのふた閉め>
ヒューズボックスのふたを閉めようとしましたが、閉まらない…
どうやら配線が太くて、すき間に収まらないようです。
確かめたところ、ヒューズとふたのすき間は2mm程で、配線の外径はφ2.7(線経は0.75sq)ありました。
押し込めば閉まらないこともない気もしますが、何とかできないものか。
ヒューズの配線切断
購入した電装品は電気信号を取るだけなので、流れる電気は少ないと考えられます。
なので、線経は0.75sqも必要ないことから、0.3sqに置き換えて、配線の外径を細くすることにしました。

<ヒューズの配線切断>
ヒューズの配線をヒューズから13mmの位置で切ります。
切った配線側には、ヒューズ(5A)やギボシ端子も付いているのに使わないなんて、もったいないですよね…
配線付きヒューズ外覆むき

<配線付きヒューズ外覆むき>
10mm程、外覆をむきます。
配線準備
0.3sqの配線を準備します。

<配線準備>
- 150mmの長さで切ります
- 10mm程、外覆をむきます
配線接続

<配線接続>
- 25mmの収縮チューブ(φ2)を通します
- 配線をよります
はんだ付け失敗
よった部分をはんだ付けしていたのですが、ここで痛恨のミス。

<はんだ付け失敗>
裏側をはんだ付けする時に、配線を押さえていなかったので、はんだが溶けた瞬間に落下。(ア~)
はんだ付け

<はんだ付け>
もう、配線をよることは困難なので、配線を真っ直ぐにした状態ではんだ付けしました。
ヒューズ上のシリコンが溶け出したりして、あたふたしましたが、何とかなりました。
接続は弱くなりますが、引っ張る力は掛からないと思うので、大丈夫でしょう。
でも、肝心の外径が厚ぼったくなり、予想よりも大きくなってしまった…
外覆除去

<外覆除去>
ニッパーで、ヒューズ側に残しておいた3mm程の外覆を取り除きます。
熱収縮

<熱収縮>
収縮チューブを被せ、ヒートガンで、収縮させます。
収縮後

<収縮後>
配線の最大外径は2mm程になり、当初の2.7mmより、0.7mm減らすことができました。
これで、ヒューズボックスに収まるはず。
ギボシ端子とスリーブ
次に配線の反対側を加工します。

<ギボシ端子とスリーブ>
今回、電装品が2つ付けられるようにするため、2又のギボシ端子を準備しました。
スリーブは平型端子用のものを、短く切って使います。
しかし、後から気が付いたのですが、スリーブを切る必要はなかったです。
長いスリーブは、ギボシ端子をつなげる時にじゃまになるかと思いましたが、動かせば済む訳で…
端子圧着1

<端子圧着1>
0.3sqだと圧着する部分の線経が足りないため、配線を折り返します。
端子圧着2

<端子圧着2>
- スリーブを通す
- 電工ペンチで圧着します
スリーブ取付け

<スリーブ取付け>
スリーブを端子に通します。
分岐配線

<分岐配線>
こんな感じで仕上がりました。
スリーブを短く切り過ぎてしまい、端子を動かすと0.5mm程スリーブからはみ出します。
まさか、スリーブがこんなに動くとは思わなかった…
やっぱり、切らなければ良かった。
分岐配線取付け
それでは、車体に取り付けます。

<分岐配線取付け>
ヒューズボックスに分岐配線のヒューズを差し込みます。
配線取回し

<配線取回し>
細くなり曲げ易くなった配線を、ヒューズボックスの縁に沿わせます。
無事、ヒューズボックスのふたを閉じることができました。
配線固定1

<配線固定1>
そして、配線を
- ヒューズボックス側面に貼り付けた配線金具で固定し
- ヒューズボックス下の配線に沿わせ、絶縁テープで固定します
配線固定2

<配線固定2>
最後に再使用可能な結束バンドで、2又ギボシ端子を固定します。
ギボシをつなげる・外す時に、役立つと思います。
つなげた分岐配線

<つなげた分岐配線>
羽陽曲折ありましたが、何とか取り付けることができました。
これでいつでも購入した電装品を取り付けることができます。
ヒューズボックスのロック

<ヒューズボックスのロック>
しかしながら、後からヒューズボックス後ろ側のロックが、はまっていないことに気が付きました。
ふたは閉まっていますが、やっぱり、負担が掛かっているみたい…
3. まとめ
今回は、ヒューズボックスからのIG電源の取出し方と分岐配線の作り方をまとめました。
ヒューズが切れてしまうと作り直さなければなりませんが、3年以上経った今でも、問題なく使えています。
- イグニッション電源はシグナルヒューズ(7.5A)から取ることができる
- シグナルヒューズ(7.5A)の通電方向は、後方から前方
- 市販の電源取出しヒューズでは外覆の線形が太く、ヒューズボックスのふたを閉められなかった
- 電源取出しヒューズの配線を0.3sqへ交換したら、ヒューズボックスのふたを閉めることができた