リアブレーキの点検・清掃を行ったので、フロントのブレーキキャリパーも点検・清掃し、合わせてブレーキパッドの状態・厚さも確かめます。
この記事より、以下を知ることができます。
- フロントブレーキキャリパーの外し方
- ブレーキパッドの外し方
- フロントブレーキキャリパーの構造
- フロントブレーキの清掃方法
作業日 | 2023年 9月 16日 |
目的 | メンテナンス・故障・修理 |
Shop or DIY | DIY |
難易度 | |
作業時間 | 3時間 |
費用 | 0円(持っているものを使用) |
1. 使うもの

No. | 名称 | メーカー | 型番 | 数量 | 金額[円] |
1 | ビットソケット (14mm) | KTC | B3-14 | 1 | 924 |
2 | ロングスピンナハンドル | KTC | BS3L | 1 | 6,083 |
3 | クイックスピンナ | KTC | BE3-Q | 1 | 2,046 |
4 | エクステンションバー (50mm) | KTC | BE3-050 | 1 | 1,485 |
5 | 軍手 | – | – | 1 | 329 |
6 | ノックピンポンチ (4mm) | KTC | PK-4185 | 1 | 2,167 |
7 | ラジオペンチ | KTC | PSL-150 | 1 | 4,455 |
8 | 中性洗剤 | – | – | 1 | 109 |
9 | 歯ブラシ | – | – | 1 | 58 |
17,656 |

2. フロントブレーキ点検・清掃1【取外し・清掃】(STEP1~19)
フロントブレーキ

<フロントブレーキ>
R125(5D7W)のフロントブレーキは、ラジアルフィックスのブレーキピストン対向キャリパーとなります。
フローティングキャリパーと比べると、整備性はいかに。
作業手順
以下の手順で進めます。
- ブレーキキャリパーを外す
- ブレーキキャリパーからブレーキパッドや部品を外す
- ブレーキキャリパー及び外した部品を清掃する
- 逆の順で戻す
なお、ブレーキホースは外さず、つながった状態で、作業します。
左サイドカバー外し
それでは、作業に取り掛かります。

<左サイドカバー外し>
ブレーキキャリパーを動かした時にブレーキホースが触れて傷が付くのを防ぐため、まず、左側のサイドカバーを外します。
(詳しくは整備記録「サイドカウル・パネル等の外し方」STEP 5, 6をご覧ください。)

ブレーキキャリパー外し1

<ブレーキキャリパー外し1>
ソケット(14mm)を付けたスピンナハンドルで、ブレーキキャリパーを固定するボルト(2ヶ所)を緩めます。
ブレーキキャリパー外し2

<ブレーキキャリパー外し2>
ソケット(14mm)にエクステンションバー(50mm)を付けた早回しで、ボルト(2ヶ所)を外します。
ブレーキキャリパー外し3

<ブレーキキャリパー外し3>
ホイールにぶつけて傷を付けないよう、ブレーキキャリパーとホイールの間に軍手を当てます。
ブレーキキャリパー外し4

<ブレーキキャリパー外し4>
- ブレーキキャリパーをブレーキローターから外し
- 手前に引っ張り出します
外したブレーキキャリパー

<外したブレーキキャリパー>
リアの時と同じように、リジットラックに乗せておきます。
そのままぶら下げても多少であれば問題ないかもしれませんが、
- ホイールに当たり傷が付く
- ホースに負担が掛かる
ので、リジットラックに乗せています。
なお、フロントフォークの作業等をする時は、足元の邪魔になるため、紐で吊るそうと思います。
パッドピン外し1
次にブレーキパッドを外していきます。

<パッドピン外し1>
ピンポンチ(4mm)で、パッドピンの抜け止めのRピンを押し、Rピンが外せる位置までパッドピンを回します。
パッドピン外し2

<パッドピン外し2>
ラジオペンチで、Rピン(4ヶ所)を外します。
パッドピン外し3

<パッドピン外し3>
- パッドスプリングを下に押しながら
- ピンポンチ(4mm)でパッドピンを押し出します
片方を外してしまえば、パッドスプリングの張力が働かないので、もう片方は簡単に外れます。
ブレーキパッド外し1

<ブレーキパッド外し1>
パッドピンが外れたら、ブレーキパッドが下側に外れます。
ブレーキパッド外し2

<ブレーキパッド外し2>
こんな感じで外れます。
手でブレーキキャリパーを押さえている場合は、ブレーキパッドの落下に注意。
パッドスプリング外し

<パッドスプリング外し>
パッドスプリングは、手で引っ張れば、簡単に外れます。
ブレーキキャリパーの状態

<ブレーキキャリパーの状態>
ブレーキパッドを外すと、中はこんな感じになっています。
異径の対向4ポットです。
上側: φ32
下側: φ27
外した部品

<外した部品>
今回外した部品となります。(ブレーキキャリパーを除く)
傷や大きな錆もなく、リアと同様に、いずれの部品も問題はありませんでした。
ブレーキパッドの状態
ブレーキパッドの状態を確かめます。

<内側>
内側のパッドに何かを噛み込んだ筋が残っていましたが、この程度であれば、問題なさそうです。
また、パッドの厚みは、以下の通りでした。
内側: 4.1mm
外側: 4.4mm
摩耗限度は2mmで、真ん中の溝が消える位まで使える模様。
オーナーズマニュアルには、溝が無くなったらディーラーで交換してねとありました。
リアと同様に、もうちょっと持ちそうですが、替えを用意しようと思います。

<外側>
バックプレートの色は銀色に近い灰色。
リアと合わせたのかな。
SBS-S-40GFから、SBS製だと分かりましたが、表示の「3702150」から情報を得ることはできませんでした。
恐らく純正部品だと思います。
純正品番: 5D7-F5805-00
(前期と違う品番ですが、純正以外も国内で入手できそう)
ブレーキキャリパー洗浄
それでは、外した部品を洗っていきます。
洗う前にブレーキレバーを引き、わずかにブレーキピストンを出しておくのがお勧め。※
ピストンとダストシールの際の汚れを、シールの中に押し込むリスクを減らすそうです。
※ブレーキレバーを何度も引いてはいけません。ブレーキピストンが外れてしまいます。

<ブレーキキャリパー洗浄>
中性洗剤を付けて、ブレーキキャリパーを歯ブラシで洗います。
ブレーキピストン周りは特に念入りに。
流石にリアよりは、ブレーキダストで汚れていました。
しかし、ブレーキダストが固着していたところはわずかで、状態は良かったです。
部品洗浄

<部品洗浄>
ブレーキパッドや他の子部品も中性洗剤で洗います。
この後、30分程乾燥させます。
この日も真夏のような日差しで、すぐに乾燥したため、エアブローは必要ありませんでした。
整備記録「フロントブレーキ点検・清掃2【取付け】」へ続く。
3. まとめ
フロントブレーキの取外し、ブレーキパッドの状態、清掃方法をまとめました。
対向キャリパーは、スライドピンがないため、構造がシンプルで洗い易かったです。
部品の洗浄は中性洗剤を使いますが、ブレーキダストの汚れが激しい場合は、ブレーキクリーナーやパーツクリーナーを使います。
- ブレーキキャリパーをホイールにぶつけて傷を付けないよう軍手等で養生する
- ブレーキピストンを洗う時は、ピストンをわずかに出すと、汚れを押し込むリスクが減る
- 洗浄は中性洗剤を使うと、ゴム部品を痛めない