1. オイル漏れ確認のついでにオイル交換
整備記録「納車点検」STEP3~8にて、エンジンオイルがドレンボルト付近から漏れていることに気が付きました。
<エンジンオイルの漏れ>
オイルがマフラーやアンダーカウルにも滴り、結構オイリーでした。
先日、整備記録「サイドカウル・パネル等のガラスコーティング」にて、清掃したばかりなのに、再びオイルが付いたら悲しいので、漏れの原因を確かめることにします。
実は納車してからほとんど走っていませんが、この機会にオイルとオイルフィルターも交換することにします。
なお、2023年より国内販売を開始したBVDも、同じ構造であることを知りました。
エンジン部品は世代を超えて、使われているんですね。
この記事より、以下を知ることができます。
- エンジンオイル・オイルフィルターの交換方法
- エンジンオイル漏れの原因
作業日 | 2021年5月22日 |
目的 | メンテナンス・故障・修理 |
Shop or DIY | DIY |
難易度 | |
作業時間 | 2時間以内 |
費用 | 2,815円 |
2. エンジンオイル交換(STEP 1~35)
サイドカウル・パネル等外し
まず、ドレンボルトやオイルフィルターを外すために、サイドカウル・パネル等を外します。
以下の写真では左右両側を外していますが、右側だけ外せば作業はできます。
(サイドカウル・パネル等の外し方はについては、以下をご覧ください。)
エンジンオイル漏れの状態
<エンジンオイル漏れの状態>
オイルを拭き取ってから数週間放置しましたが、ドレンボルトから、オイルはほとんどしみていません。
オイルを交換する前にエンジンを掛けて温めたら、オイルが徐々ににじんできました。
オイルフィラーキャップ外し
それでは、エンジンオイルの排出に取り掛かります。
<オイルフィラーキャップ外し>
オイルの抜けを良くするため、キャップをひねって外します。
オイルトレーと自在じょうご設置
イベント「YZF-R125 5D7W ついに納車!」にて書きましたが、エンジンオイルがマフラーに掛かるのを防ぐ、アタッチメントは付いてきませんでした。
<オイルトレーと自在じょうご設置>
なので、自在じょうごを使います。
自在じょうごを敷くと、不意にマフラーに触れて火傷することも防げます。
また、習慣でオイルトレーを使っていますが、直接オイルパックを敷いてしまう方が、後片付けは楽ですね。
ドレンボルト外し1
<ドレンボルト外し1>
ソケット(19mm)を付けたスピンナハンドルで、ドレンボルトを緩めます。
特にきつく締め付けられていることもなく、緩みました。
ドレンボルトは特殊な形をしていて、中心の六角の周りに突起があります。
メガネレンチだと、しっかりと掛けられない気がしたので、ソケットレンチを使いました。
ドレンボルト外し2
<ドレンボルト外し2>
ソケットをクイックスピンナに付け替えて、手でドレンボルトを緩めていきます。
クランクケースとドレンボルトのすき間が3mm程開いていますが、エンジンオイルはこぼれてきません。
写真を撮る関係で素手になっていますが、実際はオイルグローブを付けています。
走行直後だと、熱いオイルが手に掛かり、火傷するかもしれないので注意します。
エンジンオイル排出
<エンジンオイル排出>
ドレンボルトを外すと、勢いよくオイルが出てきます。
自在じょうごが良い仕事をしています。
ドレンボルト取付部
<ドレンボルト取付部>
ドレンボルトはOリングでシールしています。
クランクケースのシール面はとてもきれいで、エンジンオイルが漏れるような傷はありませんでした。
外したドレンボルト他
<外したドレンボルト他>
ドレンボルトは4つの部品で構成されていて、左から
- ストレイナー
- スプリング
- Oリング+ドレンボルト
となります。
ストレイナーは大きなごみを取り除くのが役目だと思いますが、オイルフィルターでも取り除ける気がします。
なぜ、あるのかな?
オイルフィルターカバー外し1
それでは、オイルフィルターを外します。
<オイルフィルターカバー外し1>
ソケット(8mm)を付けたTバーハンドルで、オイルフィルターカバーを固定するボルト(3ヶ所)を緩めます。
オイルフィルターカバー外し2
<オイルフィルターカバー外し2>
右下のボルトだけ、長いです。
オイルフィルターカバー外し3
<オイルフィルターカバー外し3>
オイルフィルターカバーを手で外します。
オイルフィルターも一緒に外れてきました。
オイルフィルターを外した状態
<オイルフィルターを外した状態>
オイルフィルターを外すと、中は空っぽ。
オイルフィルターの固定は両側のゴム部分を押し付けているだけなんですね。
Oリング外し
エンジンオイルのシールには3個のOリングが使われていますが、今回これらも合わせて交換します。
<Oリング外し>
Oリングピックツールで、Oリングを外します。
オイルフィラーキャップの状態
<オイルフィラーキャップの状態>
キャップとOリングが触れる部分に黒いカスが付いていました。
キャップのプラスチックがはがれた?
ドレンボルトの状態
<ドレンボルトの状態>
ドレンボルトのOリングを外してびっくり。
シール面が、かなり荒れています。
レコード盤のような円周状の凹凸はまだしも、放射状の傷はいただけないです。
皆様のドレンボルトの状態やいかに?
部品洗浄
<部品洗浄>
パーツクリーナーで、外した部品を洗浄します。
ドレンボルトやオイルフィルターカバーにこぼれたエンジンオイルが付いていたので、きれいに取り除きます。
Oリング新旧比較
<Oリング新旧比較>
上段: 外したOリング
下段: 新しいOリング 純正部品
左から
- オイルフィラーキャップのOリング / 93210-19X00
- ドレンボルトのOリング / 93210-34802
- オイルフィルターカバーのOリング / 93210-53801
となります。
キャップのOリングは明らかにサイズが違います。
途中で仕様が変わったのか、前のオーナーが違うOリングを付けたのか。
真ん中のドレンボルトのOリングは、断面が四角い形になっていました。
もしかして、1度も交換していない?
シリコングリス塗布
<シリコングリス塗布>
ドレンボルトのシール面が荒れていたので、Oリングに多めにシリコングリスを塗りました。
シリコングリスで荒れた部分を埋めてしまう作戦です。
Oリングを取付けた状態
それではOリングを取り付けます。
<Oリングを取付けた状態>
こんな感じで収まりました。
あまり傷もなく、Oリング以外も新品みたいで、気持ち良いですね。
オイルフィラーキャップのOリング
<オイルフィラーキャップのOリング>
キャップのOリングは、内径が大きいのか動いてしまいます。
外れることはないのですが、収まりが悪く、注意しないと締め付ける時に斜めに潰しそう。
オイルフィルター新旧比較
<オイルフィルター新旧比較>
左: 外したオイルフィルター
右: 新しいオイルフィルター 純正部品 30g
フィルターを挟んでいる円板の形が違うので、外したものはおそらく社外品と思われます。
今後、色々なメーカーのものを試してみるつもりです。
差は分からないと思いますが。(笑)
取付面清掃
<取付面清掃>
Oリングが汚れを噛まないよう、オイルフィルターカバーと注油口の取り付け部をペーパータオルで清掃します。
シール面の状態はドレンボルトとは大違い。
やはりシール面はこうじゃないと、いつか漏れるのではと不安になります。
オイルフィルター取付
<オイルフィルター取付>
オイルフィルターを取り付けます。
真ん中の穴の開いている方を手前にします。
逆に付けると、フィルターカバーが締め付けられないので、間違えることはないと思います。
(試したので、手前のゴム部分にオイルが付いています。(笑))
オイルフィルターカバー取付1
<オイルフィルターカバー取付1>
ソケット(8mm)をクイックスピンナに付けて、手でボルト(3ヶ所)を均等に締め付けます。
オイルフィルターカバー取付2
<オイルフィルターカバー取付2>
そして、トルクレンチで、10N・mで締め付けます。
ドレンボルト取付1
<ドレンボルト取付1>
手でスプリングを押し付けながら、ドレンボルトを締め付けます。
ねじ山を斜めに掛けないよう慎重に。
ドレンボルト取付2
<ドレンボルト取付2>
ソケット(19mm)をクイックスピンナに付けて、手でドレンボルトを締めていきます。
ドレンボルト取付3
<ドレンボルト取付3>
トルクレンチで、32N・mで締め付けます。
エンジンオイル新旧比較
<エンジンオイル新旧比較>
左: 抜いたエンジンオイル
右: 新しいエンジンオイル ヤマハ スタンダードプラス
抜いたオイルは、ほぼ新油。
納車してから数十キロしか走っていないので、ほとんど汚れていません。
もったいないですが、廃油として処理します。
エンジンオイル注入
<エンジンオイル注入>
新しいオイルを注油口に注ぎます。
必要なオイルの量は、
- オイルのみ交換時: 0.95ℓ
- オイルフィルター交換時: 1.00ℓ
となります。
0.9ℓ位入れてから、エンジンを始動・停止し、少しずつオイルを足していきました。
1ℓ缶で足りてしまうので、お財布にも優しいです。
付属のノズルを付けて注げるので、楽に作業できます。
オイルレベル
<オイルレベル>
写真を撮るのをもたもたしていたら、レベルが分からなくなりました。(笑)
大体、線の位置位まで入りました。
オイルフィルターカバー廻り
<オイルフィルターカバー廻り>
こぼれたエンジンオイルをパーツクリーナーで清掃し、終了です。
エンジン下廻り
<エンジン下廻り>
これで無事、エンジンオイルの漏れは解消しました。
漏れの原因は、
- ドレンボルトのOリングの劣化
- ドレンボルトのシール面の荒れ
が、考えられます。
サイドカウル・パネル等取付
最後に外したサイドカウル・パネル等を元に戻します。
(サイドカウル・パネル等の付け方については、以下をご覧ください。)
3. まとめ
Oリングを交換することによって、ドレンボルトからのエンジンオイル漏れは止まりました。
ただし、シール面が荒れていたので、しばらくして漏れてきたら、ドレンボルトを交換しようと思います。
いずれにせよクランクケースの割れとかレンボルトのねじの破損とかでなくて良かったです。
- ソケットレンチを使うと、ドレンボルトをなめにくい
- 自在じょうごを使って、火傷やマフラーにオイルが付くのを防ぐ
- ドレンボルトのOリングは劣化すると、オイル漏れにつながる
使ったもの:
No. | 名称 | メーカー | 型番 | 数量 | 金額[円] | 今回購入 |
ST18 | O-RING | 純正部品 | 93210-19X00 | 1 | 78 | ○ |
ST18 | O-RING | 純正部品 | 93210-34802 | 1 | 99 | ○ |
ST18 | O-RING | 純正部品 | 93210-53801 | 1 | 522 | ○ |
ST22 | ELEMENT ASSY, OIL CLEANER | 純正部品 | 38B-E3440-00 | 1 | 971 | ○ |
ST30 | ヤマルーブ スタンダードプラス | Y’S GEAR | – | 1 | 1,145 | ○ |
1 | オイルドレンパン 8L | ストレート | 36-229 | 1 | 2,200 | |
2 | 自在じょうご 370mm | ストレート | 36-6600 | 1 | 2,880 | |
3 | ソケット(19mm) | KTC | B3-19 | 1 | 968 | |
4 | ロングスピンナハンドル | KTC | BS3L | 1 | 5,907 | |
5 | クイックスピンナ | KTC | BE3-Q | 1 | 2,046 | |
6 | スライドヘッドハンドル | KTC | BHM3 | 1 | 2,970 | |
7 | エクステンションバー | KTC | BE20-250 | 1 | (2,783) | |
8 | ソケット(8mm) | KTC | B3-08 | 1 | 825 | |
9 | Oリングオイルシールピックツール | ストレート | 19-7001 | 1 | 490 | |
10 | トルクレンチ(小) | KTC | CMP0252 | 1 | (44,990) | |
11 | トルクレンチ(中) | KTC | CMP102 | 1 | (47,300) | |
12 | パーツクリーナー | – | – | 1 | (500) | |
13 | シリコングリス | – | – | 1 | (1,000) | |
117,674 | 2,815 |