1. 取付けにもちょっとしたコツがあります
外す時には気付かなかった取付け時の注意点をまとめました。
リアカウル・パネル等を取り付けようとしているけど、
- いまいち作業に自信が持てない
- ボルト・タッピングスクリューが余りそう
などの不安を感じている方に、ちょっとしたコツをお伝えします。
この記事より、以下を知ることができます。
- リアカウル・パネル等の付け方
- タッピングスクリュー締め付けの注意点
- リアカウルをすき間なく取り付ける方法
(リアカウル・パネル等の外し方はについては、整備記録「リアカウル・パネル等外し方」をご覧ください。)
作業日 | 2021年 7月17日 |
目的 | メンテナンス・故障・修理 |
Shop or DIY | DIY |
難易度 | |
作業時間 | 1時間 |
費用 | 876円 |
使うもの:
No. | 名称 | メーカー | 型番 | 数量 | 金額[円] | 今回購入 |
1 | ラチェットレンチ | KTC | BR3E | 1 | 6,182 | |
2 | ヘキサゴンビットソケット (4mm) | KTC | BT3-04S | 1 | 1,012 | |
3 | タップハンドル | – | – | 1 | (1,500) | |
4 | タップ (M8×1.25) | – | – | 1 | (500) | |
5 | ワイヤーブラシ | – | – | 1 | (300) | |
6 | ねじロック剤 | ロックタイト | 263 | 1 | 783 | ○ |
7 | トルクレンチ (小) | KTC | CMP0252 | 1 | (44,990) | |
8 | ヘキサゴンビットソケット (6mm) | KTC | BT3-06S | 1 | 1,012 | |
9 | 樹脂柄ドライバー(No.2プラス) | KTC | PDD1-2 | 1 | 1,562 | |
10 | クイックスピンナ | KTC | BE3-Q | 1 | 2,046 | |
ST17 | RIVET | 純正部品 | 90269-06001 | 1 | 93 | ○ |
11 | ハンドル | KTC | AB-53 | 1 | 1,430 | |
12 | ビットソケット (12mm) | KTC | BT3-12 | 1 | 880 | |
62,290 | 876 |
2. リアカウル・パネル等の付け方(STEP 1~22)
リアカウル・パネル等を付ける順番
リアカウル・パネル等の取付けは、外した逆の順番で、取り付けていきます。
ただし、左右が接しているリアカウルの部分は、以下の順番で締め付けます。
- ボルトを仮締め
- プッシュリベット取付け
- 接合面のタッピングスクリュー締付け
- ボルトを本締め
具体的な手順は、後ほど触れます。
ボルトとタッピングスクリューの締付け
<ボルトとタッピングスクリュー>
5D7のサービスマニュアルより、締付けトルクは以下となります。
- 左:ボルト…一部が7N・mで指定
- 右:タッピングスクリュー…指定なし
リアカウル・パネルはサイドカウル・パネルと異なり、タッピングスクリューは1ヶ所しかありません。
私は習慣で手感で締めています。
タッピングスクリューの注意点
<タッピングスクリューとスプリングナット>
タッピングスクリューは、カウルに挟んだ板状のスプリングナットで固定されます。
スプリングナットの爪は、締め付け過ぎると簡単に折れてしまうので、注意が必要です。
取り付けるボルトとスクリュー他
<取り付けるボルトとスクリュー他>
外した時にボルトとスクリュー等を、部位ごとにパーツトレーに入れました。
取付け時には、部位ごとに空になるので、余れば直ぐに締め忘れに気が付きます。
バッテリーのバンド取付け
それでは、取り付けに入ります。
まずは、マッドガードから。
<バッテリーのバンド取付け>
- バッテリーを乗せるパッドを敷き
- バッテリーを固定するバンドを前方の突起に引っ掛けます
奥まった位置にあるので、バンドを後から付けるのは大変そうです。
また、ともに取り付ける前に、ラバープロテクタントを噴き付けました。
マッドガード取付け
<マッドガード取付け>
ヘキサゴンソケット(4mm)を付けたラチェットレンチで、マッドガードを固定するボルト(4ヶ所)を締め付けます。
トルクの指定はなかったので手感で締めましたが、7N・m位で良いと思います。
ヒューズボックス・バッテリー取付け
<ヒューズボックス・バッテリー取付け>
取付けたマッドガードの上に、
- ヒューズボックスを取り付け
- バッテリーを乗せ、バンドで固定します(端子は未接続)
ねじ清掃1
次にボックスを取り付ける準備として、ねじを清掃します。
<ねじ清掃1>
フレーム上のボックスを固定するめねじ(5ヶ所)に、ねじロック剤が残っています。
なので、タップ(M8×1.25)を通し、ねじロック剤を取り除きます。
ロック剤のかすがリアフェンダーの上に落ちて、斑点状に広がってしまったので、エアブローで飛ばしました。
なお、ボックスの取付けに関する作業であることから、こちらに書きましたが、作業はボックスの取り外し直後に行いました。
ねじ清掃2
<ねじ清掃2>
カッターやワイヤーブラシで、ボルトのねじ山に残っているねじロック剤も取り除きます。
ねじロック剤塗布
<ねじロック剤塗布>
ボルトに高強度のねじロック剤を塗ります。
ボックス取付け
<ボックス取付け>
ヘキサゴンソケット(6mm)を付けたトルクレンチで、ボックスを固定するボルト(5ヶ所)を20N・mで締め付けます。
※この部分のトルクは分からなかったのですが、M8の強度区分8.8のボルトなので、20N・mで壊れることはないでしょう。
リーンアングルセンサー他取付け
<リーンアングルセンサー他取付け>
- プラスドライバー(No.2)で、リーンアングルセンサーを固定するねじ(2ヶ所)を締め付け
- ボックスにリレー(4個)を差し込みます
リアカウル取付け1
次にリアカウルを取り付けます。
<リアカウル取付け1>
リアカウルの突起をマッドガードの穴の中に差し込みます。
左右とも取り付けます。
リアカウル取付け2
<リアカウル取付け2>
リアカウル上側の重なる部分に注意して、リアカウル(左右)を固定するボルト(4ヶ所)を仮締めします。
リアパネル取付け
<リアパネル取付け>
リアカウルを挟み込むようにリアパネルを取り付け、ボルト(2ヶ所)を仮締めします。
リアカウル取付け3
<リアカウル取付け3>
リアカウル下側の重なる部分に注意して、両側から挟み込みながら、スクリューを締め付けます。
ここだけは、リアカウルの位置を決めるため、本締めします。
ここが一番大切なポイントで、
- 左右のカウルのすき間を少なくすること
- 樹脂製のワッシャーをスクリューの中心に合わせて締め付けること
を、意識します。
ちょっと気を抜くと、結構すき間ができたり、ワッシャーがずれてしまうんですよね…
リアカウル取付け4
<リアカウル取付け4>
後端のプッシュリベット(1ヶ所)を差し込みます。
ここには最初はねじが付いていましたが、今回、純正のプッシュリベットを準備しました。
リアカウルの穴が少し削られていたため、プッシュリベットにガタが出てしまい、ちょっと残念でした。
また、このプッシュリベットの位置と重なる、新しく手配したフェンダーレスキットは、仮締めにしています。
リアカウル取付け5
<リアカウル取付け5>
プッシュリベット(4ヶ所)を差し込みます。
プッシュリベット比較
<プッシュリベット比較>
左: 側面に使うもの…90269-06008
右: 後端に使うもの…90269-06001
2つとも径(φ5.8)は同じですが、後端に使うものの方が長いことに気が付きました。
ボルト締め付け
<ボルト締め付け>
あとはカウル・パネルに偏った力が掛からないよう、均一にボルト(6ヶ所)を締め付けます。
その後、フェンダーレスキットを取り付けます。
(詳しくは後日記載予定の整備記録「フェンダーレスキット交換」をご覧ください。)
タンデムシート取付け
<タンデムシート取付け>
タンデムシートを取り付け、ソケット(12mm)を付けたトルクレンチで、ナットを11N・mで締め付けます。
そして、カバーを取り付けます。
バッテリー・サイドパネル・シート取付け
最後にバッテリーをつなぎ、サイドパネル、シートを取り付けて完了です。
サイドパネル・シートの取付けは、整備記録「サイドカウル・パネル等の付け方」STEP 17, 18をご覧下さい。
3. まとめ
リアカウル・パネルは、ボックスに固定するため、多少転倒したとしても、ボックスが自体が壊れない限り、ねじの位置が大きくずれることはないはず。
なので、無理なく確実に取り付けられると思います。
- リアカウルの接合面のすき間を少なくすよう締め付けること
- リアカウルのタッピングスクリューのワッシャーの芯を出すこと
- タッピングスクリューの締付け過ぎに注意
- パーツトレイを使い、締付け忘れを防ぐ