サイド・リアに続き、整備記録「フロントカウル・パネル等の外し方・付け方」をまとめます。
フロントカウル・パネルを外せると、カスタマイズやメンテナンスの幅が広がります。
例えば、
- ヘッドライトのLED化
- ドライブレコーダー・シフトポジションインジケーター・盗難警報機等の本体設置
- スクリーンの交換
- 破損したカウル・パネルの修理・交換
また、フロントカウル・パネルを外した状態で作業すると、配線を自由に取り回せるので、純正部品のような仕上がりを期待できます。
この記事より、以下を知ることができます。
- フロントカウル・パネル等の外し方
- 各種配線の取り回しと固定方法
- 外したボルト等を無くさない工夫
作業日 | 2022年 1月23日 |
目的 | メンテナンス・故障・修理 |
Shop or DIY | DIY |
難易度 | |
作業時間 | 30分以内 |
費用 | 0円(持っているものを使用) |
1. 使うもの
No. | 名称 | メーカー | 型番 | 数量 | 金額[円] |
1 | ハンドル | KTC | AB-53 | 1 | 1,430 |
2 | ヘキサゴンビットソケット (4mm) | KTC | BT3-04S | 1 | 1,012 |
3 | L形ロング六角棒レンチ (5mm) | KTC | HLD250-5 | 1 | 1,375 |
4 | 精密ドライバー (マイナス) | ダイソー | – | 1 | 110 |
5 | 配線カプラー外し | ストレート | 19-1102 | 1 | 1,080 |
6 | ニッパー | KTC | PN1-150 | 1 | 4,499 |
7 | マイクロファイバークロス | – | – | 1 | (197) |
8 | エクステンションバー (75mm) | KTC | BE3-075 | 1 | 1,529 |
9 | クイックスピンナ | KTC | BE3-Q | 1 | 2,046 |
10 | ラチェットレンチ | KTC | BR3E | 1 | (6,545) |
19,823 |
2. フロントカウル・パネル等の外し方(STEP 1~29)
取外し・取付けの順番
作業を始める前に取外し・取付けの順番を記載します。
私はいつも以下の順番で取り外し、おおよそ逆の順に取り付けています。
<フロントカウル付近>
- シート
- サイドパネル
- サイドカバー
- アッパーサイドカウル
- ガソリンタンクカバー※1
- フロントパネル
- フロントカウル
※1 カバーの前方を少し持ち上げれば外さなくても作業できます
各部品外し
最初にSTEP 1の1~5の部品を外します。
シート・サイドパネル・サイドカバー・アッパーサイドカウルの外し方は、整備記録「サイドカウル・パネル等の外し方」をご覧ください。
ガソリンタンクカバーの外し方は、整備手帳「ガソリンタンクカバーの外し方」をご覧ください。
フロントパネル外し1
まず、右側のフロントパネルを外します。
フロントパネルは、タッピングスクリュー(2ヶ所)とボルト(1ヶ所)で固定されています。
このうち、スクリュー(1ヶ所)はアッパーサイドカウルを外す際に、取外し済みです。
<フロントパネル外し1>
ヘキサゴンソケット(4mm)を付けたハンドルで、ガソリンタンクのそばにあるスクリューを外します。
フロントパネル外し2
<フロントパネル外し2>
ヘキサゴンレンチ(5mm)で、前方にあるボルトを外します。
最初、ヘキサゴンソケットを使おうとしましたが、フロントステーに当たり、傷を付けそうだったので止めました。
なお、カウルのボルトの脱着に、多くが4mmのヘキサゴンレンチを使いますが、ここは5mmです。
フロントパネル外し3
あとは、パネルを固定する突起や爪を外し、パネルを外します。
<フロントパネル外し3>
- ○の部分を軽く車体内側へ引っ張りながら上へ持ち上げて突起を外す
- フロントパネルを後方へ動かし、○の部分の爪を外す
同じように左側のフロントパネルも外します。
フロントカウルの固定部1
<フロントカウルの突起>
STEP 5の1の突起部分の写真です。
突起が穴にはまり、フロントパネルが固定されます。
フロントパネルの固定部2
<フロントパネルの穴>
STEP 5の1の穴の部分の写真です。
フロントパネルを外した状態
<フロントパネルを外した状態>
フロント周りが寂しくなりました。
フロントパネルを外すと、
- ポジションランプの交換
- ヘッドライトバルブの交換
が、やり易くなります。
配線の状態
次に、フレームの右前方にある配線を外します。
<配線の状態>
- メーター関連の配線
- ヘッドライト・ポジションランプの配線
が、まとめられています。
配線外し1
<配線外し1>
精密ドライバーで、配線を固定している結束バンドを外します。
バンドを切っても良かったのですが、そのうち別作業で外すつもりなので、今回は再使用することにしました。
配線外し2
<配線外し2>
配線を車体側のフックから持ち上げて外します。
コネクターカバー外し
<コネクターカバー外し>
精密ドライバーで、コネクターカバーを止める結束バンドを外します。
こちらもSTEP 10と同じように、バンドを再使用します。
そして、コネクターカバーを車両後方へ動かします。
コネクター外し
<コネクター外し>
配線カプラー外しで、コネクターの爪を押しながら、コネクターを引っ張ります。
白いコネクター: Low側ヘッドライト+右側のポジションランプ
黒いコネクター: High側ヘッドライト+左側のポジションランプ
以前、コネクターの爪を指(爪)で押したら、爪がはがれかかったので、なるべくカプラー外しを使うようにしています。
配線外し3
<配線外し3>
次に精密ドライバーで、フロントカウル右下および前方にある、配線を固定している結束バンド(3ヶ所)を外します。
こちらは、切らないことをお勧めします。
エッジクリップ
<エッジクリップ>
なぜなら、この結束バンドはエッジクリップと一体となっているからです。
結束バンドを切ってしまうと、エッジクリップごと交換するか、他の固定方法を考えなければなりません。
配線外し4
<配線外し4>
ニッパーで、右側ヘッドライト下にある、配線を固定している結束バンドを切ります。
配線外し5
<配線外し5>
黒いテープが巻かれているメーター関連の配線を、エッジクリップ付きの結束バンドから外します。
ハーネスチューブに通してあるヘッドライト・ポジションランプの配線は、そのままにします。
メーター関連の配線を外した状態
<メーター関連の配線を外した状態>
するとメーター関連の配線がフロントカウルの下へぶら下がります。
バックミラー外し1
それでは、いよいよフロントカウルを外します。
まず、バックミラーを外します。
<バックミラー外し1>
ヘキサゴンソケット(4mm)を付けたハンドルで、バックミラーを固定するボルト(2ヶ所)を外します。
バックミラー外し2
<バックミラー外し2>
あとはバックミラーを持ち上げれば、外れます。
反対側も同じように外します。
フロントカウル外し1
<フロントカウル外し1>
ヘキサゴンソケット(4mm)にエクステンションバー(75mm)を付けたラチェットレンチで、フロントカウルとフロントステーを固定するボルト(2ヶ所)を外します。
ラチェットレンチを動かすときに、フロントフォークやフェンダーにぶつけないよう注意します。
私はフェンダーの上にマイクロファイバークロスを置いてから、作業しています。
実は最初ここにボルトがあることに気がつかず、フロントカウルを無理に引っ張てしまいました。
外れないので、ヘインズのマニュアルを見たところ、このボルトのことが写真付きで書かれていました。
さすがヘインズ。
フロントカウル外し2
<フロントカウル外し2>
バックミラーを固定する○の部分を軽く持ち上げ、外します。
フロントカウル外し3
<フロントカウル外し3>
そして、フロントカウルを下げ気味に手前に引っ張ると、フロントステーの突起から外れます。
このとき、カウルを下げ過ぎたり、落としたりして、フロントフェンダーにぶつけないよう注意します。
外したフロントカウルの内側
<外したフロントカウルの内側>
この状態であれば、
- スクリーンの交換
- ヘッドライトバルブの交換
も簡単にできます。
ヘッドライトバルブを交換するために、フロントカウルを外す人は少ないかもしれません。
しかし、一度じっくりとバルブの固定方法を確かめ、取り付け・取り外しを試しておけば、以降は、カウルを外さなくても確実に作業できると思います。
結束バンドの位置
<結束バンドの位置>
結束バンドの位置をまとめておきます。
配線外しとして、各STEPに書きましたが、位置が分かりにくかったと思うので。
○(3ヶ所): エッジクリップ付き結束バンド
○(1ヶ所): 普通の結束バンド
エッジクリップ付き結束バンド
<エッジクリップ付き結束バンド>
こんな形をしています。
ヘッドとセレーションの向きが、普通の結束バンドと逆なんですよね。
結束バンドを切ってしまうと使えなくなることが、分かると思います。
外したカウル他
<外したカウル他>
こんな感じでフロントカウル・パネル他が外せました。
(フロントステーは、次回の整備記録で外しますので、ご容赦。)
サイドカウル・パネル等と異なり、部品点数は、至って普通です。
外したボルト他
<外したボルト他>
外したボルト他はなるべく外した順番もしくは部位毎に、パーツトレーに置いています。
今回、サイドカウル他の部品も含め、合計で39個ありました。
100円均一で購入したパーツトレー(製氷皿)は、とても使い勝手が良くてお勧めです。
2列なので、左右に分けて使えるので、重宝しています。
フロントカウル・パネルを外した状態
<フロントステー部分 前方から>
ミラーダンパーは、フロントカウルの外側だけではなく、フロントステーの表側(フロントカウルの内側)にも付いているんですね。
<フロントステー部分 後方から>
フロントステーは、強度も抜群で、フロントカウルを支えています。
<車体全体 前方から>
フロントフォークが目立ちますね。
<車体全体 後方から>
フレームはスチールですが、アルミのような形に作られていて、美しいです。
3. まとめ
フロントカウル・パネル等の外し方をご紹介しました。
エッジクリップの結束バンドを外したり、配線を外すのに少し作業が掛かりますが、思ったより簡単に外れるはず。
何よりスクリーンで隠れてしまう、フロントステーの表面をきれいに清掃できるので、是非お試し下さい。
- 外す時にボルト・スクリュー・結束バンドの位置を確かめておくこと
- エッジクリップの結束バンドは切らないことをお勧め
- 外したボルトを管理するため、パーツトレイを準備することをお勧め