1. リアカウル・パネルも外してみます
整備記録「サイドカウル・パネル等の外し方・付け方」に続き、「リアカウル・パネル等の外し方・付け方」をまとめます。
リヤカウル・パネルについて、通常のメンテナンスで外す機会は少ないかもしれませんが、以下の作業を行う時に役立ちます。
- フェンダーレスキットの取付け
- リアウィンカーの交換(LED化等)
- 盗難警報機やドライブレコーダーの本体設置
- 破損したカウル・パネルの交換
リアカウル・パネルを外した状態で作業すると、配線を自由に取り回せるので、純正部品のような仕上がりになります。
この記事より、以下を知ることができます。
- リアカウル・パネル等の外し方
- プッシュリベットの外し方・付け方
- 外したボルト等を無くさない工夫
作業日 | 2021年 6月12日 |
目的 | メンテナンス・故障・修理 |
Shop or DIY | DIY |
難易度 | |
作業時間 | 30分以内 |
費用 | 0円(持っているものを使用) |
使うもの:
No. | 名称 | メーカー | 型番 | 数量 | 金額[円] |
1 | ラチェットレンチ | KTC | BR3E | 1 | 6,182 |
2 | ビットソケット (12mm) | KTC | BT3-12 | 1 | 880 |
3 | ハンドル | KTC | AB-53 | 1 | 1,430 |
4 | ヘキサゴンビットソケット (4mm) | KTC | BT3-04S | 1 | 1,012 |
5 | ノックピンポンチ (3mm) | KTC | PK-3135 | 1 | 1,173 |
6 | 樹脂柄ドライバー(No.2プラス) | KTC | PDD1-2 | 1 | 1,562 |
7 | スライドヘッドハンドル | KTC | BHM3 | 1 | 2,970 |
8 | クイックスピンナ | KTC | BE3-Q | 1 | 2,046 |
9 | エクステンションバー (250mm) | KTC | BE20-250 | 1 | (2,783) |
10 | ヘキサゴンビットソケット (6mm) | KTC | BT3-06S | 1 | 1,012 |
11 | 樹脂柄ドライバ (6mm幅マイナス) | KTC | MDM-150 | 1 | (1,529) |
22,579 |
※車載工具の6角レンチとピンポンチの代用(割りばし等)があれば、ボックス以外は外せます
2. リアカウル・パネル等の外し方(STEP 1~30)
取外し・取付けの順番
作業を始める前に取外し・取付けの順番を記載します。
私はいつも以下の順番で取り外し、おおよそ逆の順に取り付けています。
<右側面>
- シート
- サイドパネル
- タンデムシート
- リアパネル
- リアカウル
- ボックス(内部)※1
- 純正フラップガードもしくはフェンダーレスキット※2
- マッドガード
※1 ボックスを外した方が、マッドガードを外し易いです
※2 写真はフェンダーレスキットが付いています
シートとサイドパネル外し
それでは作業を始めます。
まず、シートとサイドパネルを外します。
(詳しくは整備記録「サイドカウル・パネル外し方」のSTEP 2~4をご覧ください。)
タンデムシート外し1
タンデムシートはナット(1ヶ所)で固定されています。
<タンデムシート外し1>
指でカバーを外します。
意外に簡単に取れてしまったので、失くしそうでちょっと不安。
タンデムシート外し2
<タンデムシート外し2>
ソケット(12mm)を付けたラチェットレンチで、タンデムシートを固定するナットを外します。
タンデムシート外し3
<タンデムシート外し3>
あとは、タンデムシートを前方に引っ張ると外れます。
リアパネル外し1
次にリアパネルを外します。
リアパネルはボルト(2ヶ所)で、リアカウルとともに固定されています。
<リアパネル外し1>
ヘキサゴンソケット(4mm)を付けたハンドルで、リアパネルを固定するボルト(2ヶ所)を外します。
リアパネル外し2
<リアパネル外し2>
リアパネルを少し後方へ引っ張て外します。
リアパネルの爪
<リアパネルの爪>
リアパネルを先に外すのは、爪があるため。
サイドカウルを先に外す場合は、リアパネルの爪を痛めないよう注意します。
リアカウル外し1
次にリアカウルを外します。
リアカウル(左)は、ボルト(3ヶ所)、タッピングスクリュー及びプッシュリベット(3ヶ所)で固定されています。
<リアカウル外し1>
ヘキサゴンソケット(4mm)を付けたハンドルで、リアカウル(左)を固定するボルト(残りの2ヶ所)を外します。
リアカウル外し2
<リアカウル外し2>
ピンポンチ(3mm)にて、リアカウル(左)とマッドガードを固定するプッシュリベット(2ヶ所)を外します。
プッシュリベットは真ん中の部分を押し込むと外すことができます。
プッシュリベットの構造
<プッシュリベットの構造>
プッシュリベットの外し方・付け方をまとめておきます。
左: 取付状態…くさびが働き抜けない
中: 外す時…ピンを押し込んでから、リベットを外す
右: 付ける時…リベット取り付け後、ピンを押す
リアカウル外し3
<リアカウル外し3>
リアカウルの下部を固定するスクリュー(2ヶ所)を外します。
○: ヘキサゴンソケット(4mm)を付けたハンドルで外します
○: プラスドライバーで外します※
※
購入時、ワンオフのフェンダーレスキットが付いていて、ボルトで固定されていました。
本来、プッシュリベットが付いています。
リアカウル外し4
<リアカウル外し4>
あとは、横へ引っ張ると外れます。
外したリアカウルのボルト
<外したリアカウルのボルト>
左側が前方となります。
カウル上側のボルトは3本とも同じですが、ワッシャーの違いまたは有無があります。
カウル下側の1本は、タッピングスクリューとなります。
そして、リアカウル(右)も同じように外します。
リアカウル・パネルを外した状態
<リアカウル・パネルを外した状態>
こんな感じになります。
バッテリー外し
リレー外し
<リレー外し>
ボックスの後方にあるリレー(4ヶ所)を手で外します。
薄い板状の突起に、ゴムが差し込まれています。
リーンアングルセンサー外し
<リーンアングルセンサー外し>
プラスドライバー(No.2)にて、リーンアングルセンサーを固定するねじ(2ヶ所)を外します。
コネクターを外せばよいのですが、今回はボックスを洗うため、リーンアングルセンサーごと外しました。
センサーの設定がずれないか、少し不安。
ボックス外し1
<ボックス外し1>
ヘキサゴンソケット(6mm)を付けたTバーハンドルで、ボックスを固定するボルト(5ヶ所)を外します。
高強度のねじロック剤が付いているので、結構硬いです。
外したことを少しだけ後悔。
ボックス外し2
<ボックス外し2>
あとは、ボックスの穴にリレー一式を通して、ボックスを外します。
ボックスはプラスチック(PA)製ですが、重さもあり、かなり丈夫に作られています。
5D7前期には無いようなので、ABSのアクチュエーターを収めるスペースを作るための対策?
それとも、溶接個所を減らして、コストダウンすための工夫?
ボックスを外した状態
<ボックスを外した状態>
この状態であれば、タンデムステップのボルトも外し易いです。
(詳しくは後日記載予定の整備記録「タンデムステップ取外し」をご覧ください。)
絶縁テープ直し
リレーにつながっている配線の根元に巻いてある絶縁テープがはがれていることに気が付きました。
<テープ巻直し前後比較>
折角の機会なので、巻き直しておきました。
マッドガードを外す前に
さらに、マッドガードも外しますが、その前に純正フラップガードまたはフェンダーレスキットを外す必要があります。
(詳しくは後日記載する整備記録「フェンダーレスキット交換」をご覧ください。)
ヒューズボックス外し
<ヒューズボックス外し>
マッドガードに固定されているヒューズボックスを外します。
マイナスドライバーで爪を押して持ち上げれば、外れます。
マッドガード外し1
<マッドガード外し1>
ヘキサゴンソケット(4mm)を付けたハンドルで、マッドガードを固定するボルト(4ヶ所)を外します。
マッドガード外し2
<マッドガード外し2>
あとは、マッドガードを後方へ取り出します。
バッテリーを固定するバンドとバッテリーの底に敷いてあるゴム板を落とさないよう注意します。
外したカウル他
<外したカウル他>
こんな感じでリアカウル・パネル他が外せました。
サイドカウル・パネルと比べると、こちらはボックスを除けば一般的な部品点数だと思います。
ところで、90年代のバイクはリアカウルの下側はスカスカでした。
R125はリアフェンダーに加えマッドガードが付いているなんて、空力を考慮したレーサーそのものでかっこ良いですね。
外したボルト他
<外したボルト他>
外したボルト他はなるべく外した順番もしくは部位毎に、パーツトレーに置いています。
今回、合計で29個ありました。(リーンアングルセンサのボルトは含まず)
このパーツトレー、実は100円均一で購入した製氷皿なんですが、とても使い勝手が良くてお勧めです。
2列なので、左右に分けて使えるのが良いですね。
カウル・パネル等を外した状態1
<カウル・パネル等を外した状態1>
リア側のフルストリップ。
通常のメンテナンスでは、ここまで外す機会は少ないかもしれませんね。
カウル・パネル等を外した状態2
<カウル・パネル等を外した状態2>
マッドガードを外したので、リレーやヒューズが垂れ下がりますが、
- 配線は左側シートレールに固定されている
- コンピューターはシートレールの間にあるブラケットに取り付けられている
ので、落ちません。
3. まとめ
リアカウル・パネル等の外し方をご紹介しました。
作業時間を30分としましたが、リアカウル・パネルの取り外しだけであれば、15分も掛かりません。
なので、一度外して洗ってみてはいかがでしょうか。
- 外す時にボルト・ワッシャー・スクリューの位置を確かめておくこと
- ボックスを外さなくても、マッドガードを外せる
- 外したボルトを管理するため、パーツトレイを準備することをお勧め