3回目の今回は、盗難警報機の配線を加工します。
整備記録「盗難警報機取付け1【取付け方法検討】」で決めた長さに、それぞれの配線を加工します。

配線の加工に少し手間が掛かるものの、車体に合わせて配策できるので、後付け感なく仕上けることができます。
この記事より、以下を知ることができます。
- 盗難警報機本体・サイレン・LEDインジケーターの配線の加工方法
- 延長配線の作製
- ギボシ端子を使わない汎用コネクターによる接続
作業日 | 2022年3月19日 |
目的 | チューニング・カスタマイズ |
Shop or DIY | DIY |
難易度 | |
作業時間 | 6時間 |
費用 | 909円 |
1. 使うもの

No. | 名称 | メーカー | 型番 | 数量 | 金額[円] | 今回購入したもの |
1 | ハーネスチューブ (φ6, 1m) | – | – | 1 | 165 | |
2 | ハーネスチューブ (φ4, 1m) | – | – | 2 | 154 | ○ |
ST2 | 盗難警報機 | プロテック | CS-550M | 1 | 13,409 | |
3 | 圧着ペンチ | ホーザン | P-704 | 1 | 5,148 | |
4 | 絶縁テープ | オーム電機 | DE1910K | 1 | (84) | |
5 | 配線 (1m, 黒色・白ストライプ) | 住友電装 | AVSSB03f-BKWH | 1 | 160 | |
6 | 配線 (1m, 黒色) | 住友電装 | AVSSB03f-BK | 1 | 160 | |
7 | はんだこて | 太洋電気産業 | PX-601AS | 1 | 17,600 | |
8 | 熱収縮チューブ (φ2) | – | – | 1 | 74 | |
9 | ヒーティングガン (ヒートガン) | 白光 | 880B | 1 | (7,260) | |
10 | SMシリーズ中継用メス端子 | 日本圧着端子 | SHF-001T-0.8BS | 6 | 78 | |
11 | 圧着工具 | ホーザン | P-706 | 1 | 6,743 | |
12 | 熱収縮チューブ (φ4.8, 10cm) | 住友電装 | WPSHTU-48BK | 1 | 242 | ○ |
13 | SMシリーズ中継用メス コネクター | 日本圧着端子 | SMP-02V-BC | 3 | 165 | |
14 | 丸型圧着端子M5用ショートタイプ | – | – | 2 | 78 | ○ |
15 | 圧着工具 | ストレート | 12-679 | 1 | 630 | |
16 | ギボシ端子 オス, スリーブ | – | – | 1 | 153 | |
17 | ハーネスチューブ (φ3, 1m) | – | – | 1 | 55 | ○ |
18 | SMシリーズ中継用オス端子 | 日本圧着端子 | SYM-001T-P0.6 | 6 | 78 | |
19 | SMシリーズ中継用オス コネクター | 日本圧着端子 | SMR-02V-B | 3 | 132 | |
20 | 結束バンド (2.5mm) | 朝日電器 | KBF-N100100(BK) | 2 | 175 | |
– | 配送料 | – | – | 1 | 380 | ○ |
53,123 | 909 |
2. 盗難警報機取付け3【配線加工】(STEP1~29)
ハーネスチューブ準備
まず、分岐の位置・径に合わせてハーネスチューブを準備します。

<ハーネスチューブ準備>
無くても全く問題ないですが、配線がまとまるので、取り付け後に純正部品のような仕上がりになります。
上から、
A…φ6 170mm
B…φ6 190mm
C…φ4 70mm
D…φ4 310mm
これらを順番に取り付けていきます。
端子切断

<端子切断>
ギボシ端子やクワガタ端子が付いているとハーネスチューブに通せないので、切ってしまいます。
メーカーが圧着した端子を切るのはもったいないですが、車体に合わせた配線を作るためには避けては通れません。
いずれにせよ、長さ調節をする時に切るつもりだったので、覚悟はできています。(笑)
ところで、クワガタ端子は圧着部分から約45mmの位置で切りましたが、後からプラス側の配線が短いことに気が付きました。
両方とも30mm位の位置で切るべきでした。
ハーネスチューブ取付け

<ハーネスチューブ取付け>
STEP 1のAのハーネスチューブを配線に通していきます。
チューブの中で配線がなるべくねじれないように注意します。
ハーネスチューブ固定

<ハーネスチューブ固定>
警報機本体に付いていたチューブ(φ8)と後から通したチューブ(φ6)で径が異なるため、そのまま絶縁テープを巻き付けるとしわができてしまいます。
なので、φ6のチューブに半分に切ったテープを2巻き程巻いて、その上からつなぎ目にテープを貼り付けました。
分岐処理1
次に第1分岐を作ります。

<分岐処理1>
- オレンジ色の配線(イグニッション配線)を除く他の配線に、STEP 1のBのハーネスチューブを通します
- ハーネスチューブの合わせ目に絶縁テープを巻きます
分岐はハーネスチューブの合わせ目より10mm程、警報機本体から離れた位置になります。
サイレン側の配線加工1
それでは、サイレン側の配線を加工します。

<サイレン側の配線加工1>
- 配線をつなぐ部分が重ならないよう、20mm程片側の配線を切ります
- 外覆を10mm程むきます
サイレン側の配線加工2

<サイレン側の配線加工2>
- 熱収縮チューブを通します
- サイレンの配線と付け足す配線(0.3sq)をよります
サイレン側の配線はんだ付け

<サイレン側の配線はんだ付け>
よった部分にはんだを付けます。
サイレン側の配線熱収縮1

<サイレン側の配線熱収縮1>
- はんだ付けした部分に熱収縮チューブを被せます
- ヒートガンで、熱収縮チューブを収縮させます
サイレン側の配線加工3
分岐処理2
次に、第2分岐を作ります。

<分岐処理2>
- サイレンの配線にSTEP 1のCのハーネスチューブを通します
- それ以外の配線にSTEP 1のDのハーネスチューブを通します
- ハーネスチューブの合わせ目に絶縁テープを巻きます
サイレン側の配線端子圧着
次にサイレン側の配線に端子を圧着します。

<サイレン側の配線端子圧着>
- 外覆を3mm程むきます
- 電工ペンチで端子を圧着します
サイレン側の配線熱収縮2

<サイレン側の配線熱収縮2>
ハーネスチューブの端に熱収縮チューブを被せ、熱収縮します。
サイレン側の配線コネクター取付け

<サイレン側の配線コネクター取付け>
端子をコネクターに差し込みます。
実は一回、熱を掛け過ぎてハーネスチューブを溶かしてしまったので、作り直しています。
さらに熱収縮チューブをはがす際、配線の被覆を傷付けてしまい、絶縁テープで覆っています。
本末転倒です。何やっているんでしょうね。(涙)
端子圧着失敗
そして、サイレン側の配線と同じようにLEDインジケーターランプ側の配線を加工しました。

<端子圧着失敗>
サイレン側と同じようにすんなりと端子が圧着できるかと思いきや、2回失敗しました。
左: 圧着後配線の抜けが発生
LEDインジケーターの芯線は0.2sq位しかなく、細いんですよね。
なので、2回目以降、芯線を折り返して、2重にして圧着しました。
右: 外覆をかしめたら端子が激しく変形
何が起こったか、分かりません。(涙)
老眼で暗いところで圧着したので、端子が傾いていることに気が付かなかった?
やっぱり細い配線を圧着するのは、難しい…
コネクターを付けたLEDインジケータランプ側の配線

<コネクターを付けたLEDインジケータランプ側の配線>
さらに、端子を圧着する位置がずれたため、左右の配線の長さに差が生じて、コネクターが傾いてしまいました。
圧着し直す気力もなく、このままにしました。
常時12Vの配線端子圧着
次に、常時12Vの配線を加工します。

<常時12Vの配線端子圧着>
- 外覆を8mm程むき、芯線を折り返します(STEP 15の教訓を生かして)
- 電工ペンチで、端子を圧着します
イグニッション配線端子圧着
さらに、イグニッションの配線を加工します。
まず、分岐から約70mmの位置で配線を切ります。
整備記録「イグニッション電源の取出し」にて作製したイグニッション電源の配線に合わせています。


<イグニッション配線端子圧着>
スリーブを通してから、外覆を8mm程むき、芯線を折り返します。
そして、電工ペンチで、ギボシ端子を圧着します。
加工した警報機本体の配線

<加工した警報機本体の配線>
こんな感じで仕上がりました。
R125(5D7W)用のワンオフハーネスが完成です。
- ハーネスチューブが黒で後付け感がないため、盗難防止効果も高いはず
- ハーネスチューブが黒で統一されているので、シックにまとまりました
※常時12Vの配線は250mm位あった方が良いです
サイレンの配線加工
では、次にサイレンの配線を加工します。

<サイレンの配線加工>
- 100mmに切ったハーネスチューブ(φ3)を通します
- 端子を圧着します
- コネクターを付けます
サイレンの配線加工前後比較

<加工前>

<加工後>
こちらは、長さの調整をせずシンプルに作業しました。
LEDインジケーターランプの配線加工1
それでは、次にLEDインジケーターランプの配線を加工します。

<LEDインジケーターランプの配線加工1>
- 熱収縮チューブを通します
- 635mmに切ったハーネスチューブ(φ3)を通します
配線通し
実はチューブが長いため、配線が通らず、とても苦労しました。

<配線通し>
2芯の間の凹みに釣り糸を置き、瞬間接着剤を流し込んで固めました。
そして予めチューブに通しておいた糸を引っ張って、何とか配線を通すことができました。
LEDインジケーターランプの配線熱収縮

<LEDインジケーターランプの配線熱収縮>
ハーネスチューブの端に熱収縮チューブを被せ、熱収縮します。
インジケーターが熱で溶けないよう、ダンボールで覆っています。
LEDインジケーターランプの配線加工2

<LEDインジケーターランプの配線加工2>
インジケーターの配線は長さが足りないので、配線(0.3sq)を足しました。
- 配線をはんだ付けし、熱収縮チューブを被せます
- 205mmに切ったハーネスチューブ(φ4)を差し込みます
そして、つなぎ目に絶縁テープを巻きます。
LEDインジケーターランプの配線加工3

<LEDインジケーターランプの配線加工3>
- 端子を圧着し、コネクターを付けます
- ハーネスチューブの端を結束バンドで固定します
LEDインジケーターランプの配線加工前後比較

<加工前>

<加工後>
配線を付け足した部分だけハーネスチューブが太いのが少し残念ですが、仕方ありません。
延長配線
最後に警報機本体⇔LEDインジケーターランプの配線(延長配線)を作ります。
ここは完全に自作となります。
作り方は他の配線とほぼ同じなので、割愛します。

<延長配線>
全長960mmの配線(0.3sq)
長さ900mmのハーネスチューブ(φ4)
加工した配線

<加工した配線>
こんな感じにまとまりました。
左から、
警報機本体の配線…57g
サイレンの配線…28g
延長配線…18g
LEDインジケーターランプの配線…16g
合計:119g
3. まとめ
今回は、盗難警報機の本体・サイレン・LEDインジケーター他の配線の加工について、まとめました。
配線の接続には、汎用の2極のコネクターを使用したので、タンクやフロントカウルを取り外す際も、スムーズに配線を外せます。
手間は掛かりますが、自分だけの専用配線を作ることができました。
- 熱を掛け過ぎるとハーネスチューブも溶ける
- 細い配線(0.3sq)に端子を圧着する場合は、芯線を折り返すことをお勧め
- ハーネスチューブへ配線を通す時、配線の間の凹みに釣り糸を接着し、引っ張ると通すことができる
- 熱収縮時に溶かしたくないものは、ダンボールで覆う